西條勉さんの「古事記神話の謎を解く」を読んだ。
古事記が作られた意味や背景が説明されている。
それにしても、日本の神話は、カタカナの神様が多くて、どうも頭に入らん・・・。
さてその中で、気になったお話。
イザナミ・イザナキの話しでは、イザナミは火の神カグツチを生んで、火傷をして死んでしまう。
人間が火を手にしたことによって、文明は大きく進んだけれど、火は文明を焼き、人を殺してしまう。
「火には二つの働きがあって、文明を生み出すと共に文明を破壊する。使い方を誤れば人間に破滅をもたらす。これは、現代でも解決できない最大の矛盾だ。」と書かれている。
ギリシャ神話のプロメテウスの話も、同じようなことが書かれている。
古事記やギリシャ神話の時代から、火を扱うことの矛盾から逃れられないのだ。
そして、人は原子力という更に強力な火を手に入れた。
核の力は、原子力発電だけでなく、人に多くのものを与えてくれた。
核の力によって文明は進歩したのだ。
その進歩も大きいだけに、破壊の力も強力。
人は、火を使うことよりもっと大きな矛盾を抱えてしまったのだろう。
神話が創造された時代から、火を使い続け、火の力によって沢山の人が死んだ。
それでも人は火を使い続けている。
火はそれだけ、人に便利をもたらすからだ。
恐らく、人は一度手に入れてしまった核の力を手放すことは出来ないであろう。
それは、数千年間火を扱う矛盾を抱えながらも使い続けてきたのと同じことである。
神をも焼き殺してしまう火と言う存在。
イザナミを焼き殺した火もまた、神なのである。
原子力もまた、自然(神)が与えてくれた力。
人はその力にどのように向き合うべきなのか。
それが、今回の原発問題の答えになるのではないでしょうか。
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