2010年2月6日土曜日

白黒の写真

 
白黒の写真がなぜ良いと感じるのか?
 
情報量から言ったら、カラーの方が良いし、動画の方がなお良い。
 
 
 
白黒の写真は、情報量が少なく、自分がそこに書き込む(妄想する)余白があるからこそ良いと感じる。その余白に書き込む情報は何処にあるのだろうか?
 
⇒それは今まで生きてきた、色々な経験にあると思う。1枚の白黒写真を見たとき、人それぞれの経験値によって、見える色が異なり、聞こえる音が異なる。風景の写真で、自分が行った事のある場所であれば、その経験から色を想像し、行った事の無い場所であれば、似た風景から空想するのだ。
 
白黒の写真は、この妄想・空想が、脳を刺激し気持ちが良い感覚にしてくれるのだ。
 
 
子供のころ、白黒写真や、親が見ていたチャップリンの映画は、とてもつまらないものに感じた。経験が無いため、色を付け、周りの空気や音を創造することが出来ないから。
 
 
 
整いすぎた情報は、作り手の意図を明確に伝えることは出来るが、ユーザーから空想する心地よさを奪っている。
 
 
花の世界に視点を変えてみよう。
 
梅や桜の膨らんだ蕾をみて、花が咲く姿を想像する。
盆栽のように、数年先の姿を想像し、器の先に広がる姿を想像する。
苗木を買い、自分の庭の姿を想像する。
花器に花や枝を生ける。
 
 
花は、ユーザーの想像によって広がる世界だ。
しかし、今の花は、その時きりで完結してしまう商品が多い。
 
ユーザーには、想像する空白が与えられていない。
 
 
 
もっと、白黒の写真のような花があっていいと思う。
 
 
 
 

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