2010年2月21日日曜日

物の価値


グラフィックデザイナー原研哉さんの「デザインのデザイン」
特に難しいデザイン論が書かれているわけではなく、デザインとは何なのか、軽い気持ちで読むことが出来る本です。日本人が本来持っている、美に対する感性を見直すことが出来、洋蘭的価値の対極に置くWARANの美観にも通じることが沢山書かれています。
 
 
日本の住宅に対して、
「簡素なつくりをした方が美しいが、値段はデコラティブな方が高い」という言葉があり、現状の花の価値を形成しているものと通じていると感じた。
 
 
下のコチョウランの写真を見てください。

A:3号鉢(鉢:Living TALK)・2本立ちのミニコチョウラン。
 

B:7号鉢(鉢:常滑焼)・3本立ちのアーチ型に仕立てたコチョウラン。
 
①A:よりもB:の方が、豪華でボリュームがある。
 
②A:は、サイズが小さいため机の上や棚に飾ることが出来る。またA:は受け皿まで統一してコーディネートされている。B:は大きいので、飾る場所が制限される。 
 
②の様に機能性で見た場合、A:の方が大きな価値があると思いませんか?
 
 
どちらの花を自分の部屋に飾りたいですか?と質問した場合。A:と答える人が多いと思う。 しかし、どちらの花を贈り物として贈りたいですか?と質問した場合。B:と答える人が多いのではないでしょうか。さらに、A:もB:も値段は10,000円ですと書いてあったら、余計にB:を選ぶ人が多くなるでしょう。「どうせ同じ値段じゃ、豪華な方がいい」とか言いながら。
 
色々な場所に飾れる機能性に優れていて、自分も飾りたいと感じるA:という花に何故、B:以上の価値を感じ、贈り物として使うことが出来ないのか? どうしてそういう提案を出来ないのか?
 
 
 
さて、長文になりましたが、本日世界らん展の最終日。夜中に撤収作業になります。
 
 
昨年の世界らん展開会式で、読売グループ会長ナベツネさんの心に残るスピーチがあったので、少し紹介します。「白の大きな胡蝶蘭はもらっても迷惑だ。」蘭展のオープニングで言い放ったこの一言。くしくも、胡蝶蘭生産者がV3という白大輪胡蝶蘭のヒーロー的品種に熱狂し、その後の暴落という現実を味わっているさなか。ジャイアンツファンである私は、この人が好きではなかったが、この一言で、少し好きになった。やはりあれだけのグループの会長になる人は、その場の空気を読むよりも、現実を明確に捉え発言することに優れているのだな。
  
 
<物の価値>
 
それが分かっていても、ボリュームや豪華さでしか物の価値が評価されない現実。
近い将来、本質の価値で物が評価されるようになると思う。
我々、花に関わるものも花の価値とは何なのか、もう一度考えておく必要がある。
 
 

2 件のコメント:

chic さんのコメント...

はじめまして。chicと申します、
はじめてコメントさせていただきます。
正義のミカタさんのリンクから来ました。

AとBの違い、とても面白いですね。
意識が自分に向いているか、贈る相手に向いているかで違いますよね。

花を仕事にしているものとして
まだまだ頑張っていかなければいけないなって感じました♪

そうそう、WARAN手ぬぐいも分けていただきました。

とてもお気に入りです☆
またおじゃまします。

ishiko さんのコメント...

はじめまして、chicさん!
コメントありがとうございます。

購入者には向いていても、贈る相手に向いている商品って、意外に少ないんですよね。


手ぬぐい使っていただいているんですね!
すっごく嬉しいです☆

今後ともよろしくです。