2010年8月13日金曜日

和蘭WARANのお話②

 
前回の和蘭WARANのお話しが、評判が良かったので、今回は和蘭が出来るまでのお話をもう少し掘り下げて行きたいと思います。
 
 
 

 
さて、これ何だか判りますか?
 
 
 
和蘭のタネがぎっしり入った実です。
 
普通、生産用の蘭苗の増殖は、メリクロン培養といって、簡単に言うとフラスコの中で細胞培養を培養し、クローンを作って増やします(以前、クローン人間とか話題になったとき、同じ話をしたら、やだーこの人、って悪いことをやっている人のように見られたな・・・ マスコミの力って怖い)。
 
で、なんでタネが必要なのか? と言いますと、新しい品種を作り出すとき!
前回お話しましたが、和蘭を作るためには、洋蘭と東洋蘭を交配します。交配って言うのは、雌蕊に花粉を付けて受粉させること。自然界では、どのように受粉が行われているのかと言うと、多くの蘭の場合、虫が行っています。シンビジュームでは、ほとんどがミツバチさんが花粉を運んでいるのです。だから、私はミツバチの代わりをしている訳ね。
 
で実がなるとこの中に何万粒ものタネが出来るのです。そのタネは皆少しずつ違う性質を持っていて、違う花を咲かせます。皆さん兄弟でも微妙に顔や性格が違うのと同じだね!基本的に蘭の世界で、タネを使うのは、新しい品種を作出したいときだけ(一部タネ使って増やすものもありますが・・・)。
 
その、い~ぱいの兄弟の中から特に優秀な物を残して、メリクロン培養と言う技術で、コピーを一杯作るのです。
 
 
 
 
 
前回、新しい品種が出来るまで、時間かかりますよ~ って言いましたが、タネも交配して直ぐに撒けるワケじゃないんです。。。 花粉をつけてから、だいたい7ヶ月くらいジッと待っていなければいけません。その間にダメになっちゃうのもあるし。。。そらもう、これぞ!って言うのに限って、ダメになるんだから・・。
 
7ヶ月後:ようやく、充実してくると黄色っぽくなってくる。
 
 
 
完熟すると、実の横が割れて、風で粉のようなタネが舞って行きます。
こうなってしまうと、大切なタネがどこか行ってしまうので、その前に収穫するんですけどね!
 
 
さてさて、こういう話をすると、「それじゃあ私も交配してタネ収穫して、土に撒けば芽が出てくるの?」って質問を受けます。残念!蘭のタネはちょっとやそっとじゃ、発芽しないんですね。自然界ではラン菌がタネの中に共生して発芽します(詳しくは、どこかのページ調べて、、、)。で~我々は、フラスコの中でタネを撒いて発芽させるの! ここは、ノウハウ。。。企業秘密ね。。。
 
 
まあ、素人が発芽させるのは大変だけど、実の状態で7ヶ月間も鑑賞できるってのも面白いと思いません? 下の写真はわざと実を付けて、鉢物に仕立てたもの。。。
こんなのも、農家さんに頼めば作ってくれます。
興味のある方は連絡頂戴な。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2 件のコメント:

Kobsukh Kaenratana さんのコメント...

I wish I could read Japanese to understand the Warn Cymbidiums.

みちくさ さんのコメント...

Thank you very much for your comment. Unfortunately, I can not convey my explanation to you by English. I would like to introduce the appeal point of WARAN by English in near future.