2010年5月19日水曜日

岡倉天心は、老子の言葉を引用して、物の真に肝要なところは、虚にのみ存在する。といっています。例えば、水差しの役に立つところは、水を注ぎ込むことのできる空所にあって、形状や製品のいかんには存在しない。室の本質は、屋根・壁に囲まれた空虚にあると。同じようなことを、原研哉氏は「空」や「エンプティネス」という言葉で捉え、深澤直人氏は「輪郭」という見方で捉えています。
 
 
我々が扱う商品に置き換えたときに、どのようなことが言えるでしょうか?
 
例えば、花器の本質は、水を受ける空間にあり、植木鉢の本質は、土や根を受ける空間にあるということでしょうか。花にとって、花器は水を貯え、供給してくれるもの。植物にとって植木鉢は土や根を保持し支えてくれるもの。
 
  
そこで導き出される、一つの形。。。。
 
 
”水の形をした花器” 
 
”土の形をした植木鉢”
 
 
そのものが持つ本質に近づくことにより、花や植物と調和しやすいが生まれるのではないでしょうか。
 
 
 
さてさて、”水の形” ”土の形”とはどのような”形”なのでしょう?
 
ここまで来ると、何か哲学めいた感じになってきますが、そんなに難しく考える必要は無いでしょう。
 
水が自然にそこにあり、無理の無い形
土が自然にそこにあり、無理の無い形。
水や土を眺めていれば、自然と見えてくるはずです。 
 
 
 
この形をテーマに今年は、商品を考えていきたいと考えています。
 
 
 
 

2 件のコメント:

しんびすと さんのコメント...

こうゆうアプローチの仕方、とても勉強になります。
いしこさんがどういった表現されるのか楽しみにしています。

僕は僕なりのアプローチを。

早くこっちいらっしゃ~い♪

みちくさ さんのコメント...

昨晩、、いやその前から、水の形について考えているのですが、なかなか答えがでんのです。

いいアイディアがあったら教えてください。

平野さんのブログにも、ウツについて書かれていましたが、虚・空を全て満たしてしまってもいかんのです。何も入る余地がなくなってしまうからね。

いや~。わかるようで、わからん。。。
難しい考え方です。



だから、そちらに行くのは6月で。。。
一泊しかできません!
そして、温室ではなく、寒蘭の自生する山に行きたいのです! 山の中で、議論しようよ~。

坂本龍馬も捨てがたい。。。