2010年4月27日火曜日

「茶の本」

岡倉天心「茶の本」
 
茶の始まりから、道教・禅道の精神を元に生まれた茶の精神性、茶室・花・美術品との向き合い方が、描かれており、実に面白い。
 
原本は英文で、翻訳本が色々出ているようです。
訳者によって微妙に表現が違うので、比べてみると面白いかも。
<村岡博さんの訳本 と 桶谷秀昭さんの訳本 をお借りした。>
村岡氏の方が、古い言葉が多いが、この本で書こうとしていることがわかりやすかった。
最近訳された本を読んだ後、村岡氏の本を読むとより理解が深まる。。。
なるほど、そういう意図で、2冊貸してくれたのかな(感謝)?
 
 
「花」の章の冒頭では、切花を扱っている花屋が読んだら、どのように思うかという擬人表現で、生花を扱う行為について描かれており、読んでいて可笑しくなってしまった。
 
一部抜粋>
”お前たちを切ってかがめゆがめて、彼の勝手な考えでお前たちの取るべき姿勢をきめて、途方もない変な姿勢にする・・・・・。出血を止めるために灼熱した炭でお前たちを焦がしたり・・・・。”
 
 
命を落とし、人を楽しませてくれる花に対し、敬意を払い、紳士に向き合えってことでしょうね。
 
 
「道」というものについても、知ることができた。
〇〇道(茶道・華道・剣道・柔道・・・・)というと、ルールが決められていて、その道を極める!
って感じがするけど。
「道」とは、宇宙変遷の精神と書かれている。道教の思想である。
新しい形を生み出し、絶えず成長するもの・・・・。であれば、道を極めることなど誰もできないわけだ。
 
 
私は、「道」というと「古い道」とばかり思っていたのですが、絶えず「新しい道」を創るものなのですね。
 
 
 
さてさて、この薄い本の中に、ここでは書ききれない面白い内容が書かれています。
いやいや、是非御一読。
 
 
 
さて、利休に始まり、すっかり「茶」と「禅」の世界にハマッテしまい。
「南方録」を読み始めました。
古い言葉では、ようわからんので、熊倉功夫さんの現代語訳本です。
読み終わったら、レポートしま~す。
 
 
 
 
 
ちなみに・・・。
 
    茶人になろうとしているわけではないですよ・・・・。
 
 
 
 
 

4 件のコメント:

frakie さんのコメント...

明治時代はよかった。何事も発展していく余地があった。その中で天心のように日本の良さを熟知していて西洋文化を馬鹿にできるこんな本が書けるなんて。今の日本でこの本が解る人間は少ないかもしれない。外国の人のほうが理解できるかも。
ところで本の所有者より内容を理解しているような君は嫌な奴かも!

Seed さんのコメント...

面白そうな本ですね!
茶道には全然知識を持ち合わせておりませんけど・・。
切り花を扱う者として、抜粋された箇所のことばはグサっと胸に刺さりました。花の命を頂いていること、常に忘れてはいけませんね。
ありがとうございました。

みちくさ さんのコメント...

frakieさん
「茶の本」は西洋人に宛てた文章ですし、天心は当時の日本に受け入れられなかったワケですから。明治は、文明開化の真っ只中。。。。理解することができても、古臭い思想にしか思えないでしょうね。でも、今の日本人には理解できる人(受け入れることができる人)が結構いると思いますよ。

あなたが、そうであるようにね。

そう思う私は、やはり変わり者で、嫌な奴かna・・。

みちくさ さんのコメント...

Seedさん
面白いですよ!是非読んでみて。

あのような内容が、長々書いてあって、始めはグサッときたのですが、段々その情景が可笑しくなってきてしまいました。

酸に浸けるとか、沸騰したお湯に浸けるとか、水揚げの知識がある人にしか分りませんけどね。